
障害年金を受給するには、納付要件(一定期間、年金保険料を納めていないと受給できないという条件)を満たす必要があります。
どんなに障害の状態が重くても、納付要件を満たしていなければ障害年金はもらえません。
障害年金の請求を考えたら、いちばん最初に確認すべきポイントがこの納付要件です。
“この記事でわかること”
- 2つある納付要件と、どちらかを満たせばよいこと
- 年齢によって計算方法が変わるケース
- 自分で年金記録を確認するときの3つの注意点
- 年金記録に出てくる記号(*・A・Z・/など)の見方
目次
1.納付要件は2つ。どちらかを満たせばOKです
障害年金を請求するには、初診日(病気やケガのために初めて病院に行った日)の前日時点で、次の2つのいずれかを満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 2/3要件 (原則) | 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間のうち、2/3以上の期間について保険料が納付または免除されていること |
| 直近1年要件 (特例) | 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと |
初診日の前日時点の年金記録を見て、未納が1/3未満であれば納付要件はクリアです。
仮に1/3以上の未納があったとしても、直近の1年間に未納がなければ納付要件はクリアしたことになります。
“【重要】直近1年要件の特例は10年延長されました”
- この特例は、もともと初診日が令和8年4月1日前の場合に限られていました。
- 法改正により、初診日が令和18年3月末日までに延長されています。
2.年齢によって変わる特殊なケース
初診日時点の年齢によっては、特殊な納付要件の計算をします。
| 初診日の年齢 | 取り扱い |
|---|---|
| 20歳未満 | 国民年金にそもそも加入していないので、納付要件自体がありません。 |
| 60歳~65歳未満 | 60歳以降は年金制度から抜けている方も多くなります。この場合は空白期間を抜いて、直前の加入期間までさかのぼって納付要件を計算します。 |
| 65歳以上 | 直近1年要件が使えませんので、必ず2/3要件を満たす必要があります。 |
※初診日が65歳以降の場合、年金が請求できるのは初診日に厚生年金へ加入している場合に限られます。その場合は、厚生年金のみで基礎年金がついてこない特殊な請求になります。
3.自分で年金記録を確認するときの3つの注意点
請求代行をお受けする場合、納付要件の確認は社労士が代理で行います。ご自身で請求する場合も、年金事務所に初診日を伝えれば確認してもらえます。
ここでは「自分で年金記録を取って確認したい」という方のために、注意点をまとめます。
3-1.初診日の「前日」時点の記録を見る
納付要件を見るのは、あくまで「初診日の前日の状態」です。
たとえば交通事故で令和4年5月3日に病院へ運ばれた場合、納付要件の計算は令和4年5月2日時点の記録を参照して行われます。
もし年金を直近2年分払っていても、その払った日が令和4年5月10日だったとしたら、納付要件の計算では「未納」として扱われます。
最新の年金記録では「納付」「免除」になっていても、その手続きが初診日より後だったために未納扱いになる、というのはよくあるケースです。
納付や一部免除の場合は「いつ納付したか」、免除の場合は「いつ免除申請をしたか」という日付も含めて確認する必要があります。
3-2.初診日の「前々月」からさかのぼって見る
納付要件の計算は、初診日の月の前々月からさかのぼって行います。
初診日が令和4年5月1日だとすると、参照されるのは令和4年3月分以前の記録です。
(年金は原則として翌月末払いなので、「前月分=4月分はまだ納付されていない」という前提で計算します)
先ほどの事故のケース(初診日:令和4年5月3日)で計算すると
- 令和4年5月2日時点で、令和3年4月分~令和4年3月分に未納がなければ → 納付要件クリア(直近1年要件)
- 未納があった場合は、令和4年3月以前のすべての被保険者期間をさかのぼり、未納が1/3以下なら → 納付要件クリア(2/3要件)
- そこで1/3以上の未納があった場合は、どちらも満たしていないため請求できません
3-3.納付状況の記号の見方
年金記録は、月ごとの納付状況を記号で表しています。実際の記録でよく見られるのは次のものです。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| * | 未納 |
| A | 納付済 |
| P | 前納 |
| Z | 申請全額免除 |
| + | 第三号被保険者 |
| / | 未加入期間 または 厚生年金・共済組合に加入していた期間 |
“いちばん注意が必要なのは「/」です”
- 「/」は「国民年金に加入していない」という意味ですが、厚生年金・共済組合に加入していた期間も、手続きを怠って未加入だった期間も、すべて同じ「/」で記載されます。
- 厚生年金の加入記録と照らし合わせながらチェックする必要があります。
4.まとめ
どんなに障害の状態が重くても、納付要件をクリアしていなければ請求は門前払いされてしまいます。
障害年金の請求をお考えの方は、まず一番最初に納付要件をしっかり確認することをおすすめします。
ご自身の記録の見方がわからないときは、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です。
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