
障害を持っている方が働く場合、一般就労のほかに障害者雇用という選択肢があります。
障害者雇用であれば、障害の特性に配慮を受けて働くことができます。
また障害年金を受給しながら就労したい場合も、有利に働くことがあります。
“この記事でわかること”
- 障害者雇用のメリットとデメリット
- 企業側にも雇用の義務があること(法定雇用率)
- 対象となるのは障害者手帳を持っている方であること
- 手帳を職場に出すだけで障害者雇用になる場合があること
目次
1.障害者雇用とは?
障害のある方が障害のない方とまったく同様に仕事をしようとしても、仕事に就きづらい、できる業務に制限があるなどの理由で不利になってしまう場合があります。
ですが、障害のある方もさまざまな能力を持っていますし、働く意欲を持っている方もたくさんいます。
そういう方に対して仕事で活躍できる機会を得やすくするために設けられている制度が障害者雇用です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 障害がわかったうえで雇用されるため、障害の特性や体調などへの配慮を受けて働ける 結果的に能力を活かしながら働ける | 求人数が少ない 給料が低め |
2.企業側にも障害者雇用の義務があります
日本では、障害者が働く機会を平等に得られるよう、国や自治体、企業に対して障害者雇用の義務を定めています。このルールに則り、各企業には障害者求人枠が設けられています。
“民間企業の法定雇用率(令和8年7月~)”
- 法定雇用率 2.7%
- 対象となる事業主 従業員37.5人以上
- つまり従業員を37.5人以上雇った時点で、1人以上の障害者を雇用する義務が生じます
※法定雇用率は段階的に引き上げられており、令和6年4月からは2.5%(対象40人以上)、令和8年7月からは2.7%(対象37.5人以上)となっています。
2-1.雇用しなかった場合のペナルティ
行政指導などが入るほか、常用労働者が100人超の企業からはペナルティとして月5万円が徴収されます。これを障害者雇用納付金といいます。
2-2.雇用した場合のメリット
- 障害者雇用納付金の徴収がなくなる
- 法定の雇用率を超えて障害者雇用を行った場合、超過人数に応じて調整金や報奨金が支給される
- 週労働20時間未満の障害者雇用に対する給付金
- 雇い入れの際に受けられる障害者トライアル雇用助成金、特定求職者雇用開発助成金
3.障害者雇用の対象となるのは「手帳を持っている方」
障害者雇用の対象となるのは、原則として障害者手帳を持っている方です。
等級や労働時間に応じて、企業側では次のように人数がカウントされます。
| 障害の種類 | 週所定労働30時間以上 | 週所定労働20~30時間 |
|---|---|---|
| 身体障害者 | 1人 | 0.5人 |
| 重度身体障害者(手帳1・2級) | 2人 | 1人 |
| 知的障害者 | 1人 | 0.5人 |
| 重度知的障害者(手帳A区分) | 2人 | 1人 |
| 精神障害者 | 1人 | 0.5人 |
※このほか、令和6年4月から週所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者についても、0.5人としてカウントされるようになりました。
3-1.手帳を職場に出すだけで障害者雇用になることも
企業は、6月1日時点で雇用している障害者の数を毎年届け出ています。
職場に手帳を提出することでその雇用数に含まれることになり、特別な雇用契約などを結んでいなくても「障害者雇用」ということになります。
- 企業側は、障害者雇用として特別に業務を用意している場合もあれば、特に一般就労と区分していない場合もあります
- 障害者雇用に特化した子会社(特例子会社)を立ち上げている場合もあります
4.まとめ
「障害年金はもらっているけれど、障害者雇用には抵抗がある」というご相談者は少なくありません。
ですが、一般就労で無理をして働き、結果的に休職や転職を繰り返す方が多いのも事実です。
障害者雇用で安定して働きながら障害年金をもらい続けることで、結果的に手取りが増えるというケースもあります。
障害者雇用の求人をご自身で探すのが困難であれば、福祉サービスの一つとして就労移行支援によるサポートを受けるという手もあります。
