
「これまで通っていたはずの障害年金が、急に不支給になった」——ここ最近、こうしたご相談が全国で増えていました。
その背景にあるのが、いま国会やメディアでも取り上げられている「障害年金の不支給問題」です。
この問題を受けて、厚生労働省は審査のしくみを大きく見直すことを決めました。2026年(令和8年)10月から、審査体制が段階的に変わります。
「自分の申請はどうなるの?」「今から準備できることは?」
このページでは、むずかしい制度の話をできるだけやさしく整理し、これから請求される方・更新を控えている方が知っておきたいポイントをお伝えします。
“この記事でわかること”
- 「不支給問題」とは何だったのか
- 2026年10月から変わる4つのポイント
- 見直しは「基準がゆるくなる」わけではないこと
- 今から準備しておきたい3つのチェック
目次
1.そもそも「不支給問題」とは?
きっかけは、障害年金の審査で不支給(非該当)と判定される割合が急に増えたことです。
厚生労働省が公表した令和6年度(2024年度)の認定状況によると、新規に請求した方のうち不支給となった割合は13.0%と、前年度の8.4%から大きく上昇しました。
とくに深刻だったのが精神障害です。
- 精神障害の不支給割合:6.4%(令和5年度)→ 12.1%(令和6年度)と、約2倍に
- 不支給になった事案のうち75.3%が、本来の目安よりも「下位の等級」に判定されていた
うつ病や発達障害など、精神の障害は「日常生活のしづらさ」を数値で示しにくく、審査する人によって判断が分かれやすい分野です。
「同じような状態なのに、通る人と通らない人がいる」——その不公平さが、大きな社会問題として指摘されました。
▶ 調査結果の詳細は 障害年金の不支給が増えている?厚生労働省の調査でわかった現状と対策 をご覧ください。
2.2026年10月から、審査はこう変わります
こうした声を受け、厚生労働省は審査の公平性・客観性を高めるための見直しを進めています。おもな変更点は次の4つです。
2-1.不利益になる決定は「複数の認定医」でチェック
これまで審査は原則1人の認定医が担当していましたが、2026年10月以降、不支給・支給停止・減額といった本人に不利益となる決定は、複数の認定医で審査する方針になります。
ひとりの判断に偏らないよう、複数の目を通すしくみです。
2-2.職員による「等級案」を廃止
これまでは審査の前に日本年金機構の職員が「等級の案」を作っていましたが、これが判定に影響しているのではという指摘がありました。
今後はこの職員による等級案を廃止し、医学的な判断は認定医にゆだねる形へ改められます。
2-3.過去の不支給事案を国が点検
すでに不支給とされた過去の事案についても、国があらためて点検(再点検)を進めています。判定に誤りがなかったかを見直す取り組みです。
2-4.判断が難しいケースは「認定審査会」で
判断がむずかしい事案は、専門家が集まる認定審査会で慎重に議論して決める方向です。
あわせて、精神障害を中心に認定事例の共有やデータベース化を進め、判断のばらつきを減らす取り組みも予定されています。
※審査を複数回行うことで時間がかかりすぎないように、処理期間の目標も設けられる見込みです。
3.これから請求する方・更新を控える方へ
「体制が変わるなら、待ったほうがいい?」と迷われるかもしれません。
しかし見直しは、基準がゆるくなるわけではありません。あくまで「公平で客観的に審査する」ための改善です。
今も昔も、審査で最も大切なことは変わりません。それは「日常生活や仕事でどれだけ困っているか」を、診断書や書類で正しく・具体的に伝えることです。
- 診断書に、実際の生活のしづらさがきちんと反映されているか
- 病歴・就労状況等申立書で、発症から今までの経過を具体的に書けているか
- 通院や服薬の状況が、途切れなく記録されているか
これらが不十分だと、実態より軽く判断されてしまうことがあります。
また、医師に適切な診断書を書いてもらうと同時に、ご自身(または社労士)が作成する「病歴・就労状況等申立書」の内容と食い違わないようにすることも重要です。
制度が変わる今だからこそ、「伝わる申請」の準備がいっそう大切になります。
4.不安なときは、ひとりで抱えこまないでください
障害年金の制度は複雑で、報道を見て「自分は大丈夫だろうか」と不安になる方も多いと思います。
とくに一度不支給になった方はあきらめてしまいがちですが、書類を整えて再請求し、受給につながったケースはたくさんあります。
ソレイユ障害年金サポートセンターでは、ご相談は無料、そして受給が決まってから費用をいただくしくみです。
「これって対象になるの?」という段階でも構いません。まずはお気軽にお電話・メールでご相談ください。
制度の変わり目だからこそ、専門家と一緒に、いちばん良いタイミングと方法を考えていきましょう。
