
手足に異常はなくても、胴体部分に異常があって日常動作に不自由が出る場合があります。
その場合は体幹・脊柱の機能障害として認定されます。
“この記事でわかること”
- 体幹機能の障害(高度体幹麻痺)で1級・2級になる基準
- 脊柱の「荷重機能障害」と「運動機能障害」のちがい
- 審査で見られる5つの日常動作
- 該当しないと思っても、あきらめなくてよい理由
1.体幹機能の障害(高度体幹麻痺)
体幹障害として認められるのは、脊髄性の小児麻痺や脳性麻痺によって「高度体幹麻痺」による機能障害が生じた場合です。
この高度体幹麻痺によって座る・立つ・歩くことができなくなった場合は、障害年金の対象になります。
| 障害の程度 | 等級 | 具体的な状態 |
|---|---|---|
| 座っていることができない | 1級 | 腰掛、正座、あぐら、横すわりのいずれもできないもの |
| 立ち上がることができない | 1級 | 寝転がった状態・座った状態から「自力で」立ち上がることができず、柱や杖を使ったり、誰かの補助が必要な状態 |
| 歩くことができない | 2級 | 「自力で」歩けない場合。「全く歩行できない」状態である必要はありません |
「歩くことができない」は、こんな場合も該当します
- 伝い歩きなどで、家の中は歩けるけれど外は歩けない
- 杖や松葉杖、補助用具を使えば歩ける
1-1.体幹障害の注意点
体幹障害は、実務上認められないことが多いです。
たとえば、がん等で筋肉が衰弱して立ち上がることができなくなったような場合でも、体幹障害としては認められません。
その障害が「体幹の麻痺によって」生じたかどうかがポイントになります。
2.脊柱の機能障害
脊柱の機能障害は、脊柱の脱臼骨折や強直性脊椎炎等によって生じるものです。障害の内容によって2つに分かれます。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 荷重機能障害 | 脊柱が体を支えられないくらい重い障害 |
| 運動機能障害 | 体は支えられるものの、脊柱の動作に支障がある場合 |
2-1.荷重機能障害(2級)
荷重機能障害とは、「脊柱が体幹を支えることができない」障害です。
次の5つの動作について「一人でできるが非常に不自由」になっている場合は、日常生活に著しい制限ありとされ2級に該当します。
“審査で見られる5つの動作”
- ズボンの着脱
- 靴下を履く
- 座る(正座、横すわり、あぐら、脚なげ出し)
- 深くおじぎ(最敬礼)をする
- 立ち上がる
2-2.運動機能障害(3級・障害手当金)
運動機能障害は、主に「頸部(首)」と「胸腰部(腰)」が測定されます。パターンは次のいずれかです。
- 前屈・後屈運動に支障がある
- 脊柱全体に運動障害があるため、回旋・側屈に支障がある
| 可動域 | 等級 |
|---|---|
| 1/2以下になっている | 3級 |
| 3/4以下になっている | 障害手当金 |
2-3.脊柱障害の注意点
脊柱の運動機能障害については、認定基準に次の記載があります。
「傷病の部位がゆ合してその部位のみについてみると運動不能であっても、他の部位が代償して脊柱に運動障害は軽度あるいはほとんど認められない場合が多いので、脊柱全体の運動機能、すなわち日常生活における動作を考慮し認定する」
脊柱の場合、一部が完全に動かなくても、他の部分が動く場合は「脊柱自体の運動は問題ない」と判定されることが多いようです。
したがって「ズボンの着脱」「靴下を履く」「座る」「深くおじぎをする」「立ち上がる」といった動作ができるかどうかも、審査には重要になります。
3.まとめ
実務上、体幹障害の基準が使われることはあまりありません。認定基準の範囲が狭いためです。
ただし、体幹に異常が出ている場合は肢体や神経の障害として請求していくこともできます。
認定基準をざっくり読んで「自分には該当しない」とあきらめてしまう方も多いですが、まずはご相談ください。ご相談は無料です。
