
「人工関節を入れたら障害年金もらえるって聞いたんだけど…」
「これから手術するんだけど、年金っていつからもらえますか?」
肢体障害で最も多いご相談が、「人工関節」または「人工骨頭」によるものです。
“この記事でわかること”
- 人工関節・人工骨頭は、入れれば原則3級になること
- ただし初診日に厚生年金に加入していないと受給できないこと
- それでも受給できた2つの実例
- 手術直後から請求できること/2級以上になる場合もあること
目次
1.人工関節・人工骨頭を入れると原則3級
人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合は、機能障害の有無にかかわらず3級と認定されます。
(規定は「一つ以上」となっているため、二つ入っていても3級です)
ただし、誰でも100%年金がもらえるわけではありません。通常の年金請求と同様に納付要件を満たす必要があり、さらに重要なのが次の初診日の加入要件です。
2.最大の関門は「初診日の加入要件」
障害年金の制度上、「3級」は障害厚生年金のみに認められます。
そのため初診日の時点で仕事をしていて、職場の厚生年金に加入していなければ認められません。
ですから人工関節・人工骨頭の場合は、まず年金記録等から「初診日時点で厚生年金に加入していたか」を確認する必要があります。
では、初診日の時点で働いていなかったり、生まれつきの病気が原因だった場合、人工関節で障害年金の請求は絶対にできないのでしょうか。
実は、必ずしもそうとは限りません。初診日時点で厚生年金に加入していなかったにもかかわらず、人工関節で障害年金が認められた事例を2つ紹介します。
2-1.社会的治癒が認められた事例
- 幼少期に股関節の病気と診断され病院にかかっていたが、症状は全くなく、じきに病院に行かなくなった
- その後、就職。数か月後に症状が突然悪化し、人工関節の手術を行った
10年以上通院もなく、まったく治療の必要もなかったことから 社会的治癒 が成立すると考えられたため、「悪化した日」を初診日として請求を行いました。
結果、認められ、障害厚生年金3級を受給できました。
2-2.基礎年金の2級として認められた事例
人工関節手術後に年金請求をしようとしたところ、初診日が国民年金だったことから「人工関節は3級だから、あなたは請求ができない」と案内され、ずっとあきらめていた方からのご相談でした。
お話を聞くと、人工関節を入れているものの足の状態は非常に悪く、いつも杖をついて歩いているという状態でした。
「一下肢の用を全く廃したもの」に該当すると考えられたため、基礎年金として請求し、障害基礎年金2級として認められました。
「人工関節は絶対に3級の年金しかもらえない」という誤解をされている方も多いですが、こういうケースもあります。
3.その他の注意点
3-1.橈骨頭の人工骨頭は対象外です
人工関節・人工骨頭はその時点で3級相当ですが、肘関節の人工骨頭置換については認められない場合があります。
人の前腕(肘から先の部分)は、尺骨(小指側)と橈骨(親指側)の2本の骨で形成されています。
このうち橈骨頭に人工骨頭を挿入置換した場合は、障害認定基準(3級)に該当しません。

「肘関節の屈伸の主体ではない」というのがその理由です。
3-2.手術直後から請求できます
人工関節・人工骨頭で障害年金を請求する場合、障害認定日は次のいずれか早い方になります。
“障害認定日は、早いほうが採用されます”
- 初診日から1年6か月が経過した日
- 人工関節・人工骨頭を挿入置換した日
通常、障害年金の請求は初診日から1年6か月経過するのを待ちますが、人工関節・人工骨頭で請求する場合はわざわざ待つ必要がありません。手術直後から請求可能です。
3-3.2級以上に該当することもあります
先ほどの事例でも触れましたが、肢体の認定基準には次の記載があります。
「ただし、(人工関節・人工骨頭を)挿入置換してもなお、一上肢については『一上肢の用を全く廃したもの』程度以上に該当するとき、両上肢については『両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの』程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する」
これは上肢の基準ですが、下肢にも同じ文章があります。
つまり、人工関節だからイコール3級というわけではありません。通常の肢体障害として2級以上に該当することもあります。
4.まとめ
人工関節・人工骨頭については「入れただけで障害年金3級になる」という、年金がもらいやすい制度になっています。
しかし、実際にすべての方が障害年金をもらっているわけではありません。
要件を満たしていない方もいますが、「本当は年金がもらえるのに手続きをしていない」というケースも少なくありません。
「自分ももらえるんじゃないか?」と少しでも思われた場合は、一度ご相談ください。ご相談は無料です。
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