
「障害年金の更新後に支給停止の通知が届きました。受給を再開するにはどうしたらいいですか?」
「更新で2級から3級になってしまいました。年金が減ると困ってしまいます」
最近、障害年金を受給されていた方から、更新で支給停止になった・等級が下がったというご相談をいただくことが多くなりました。
ですが、支給停止になっても障害年金の受給権が消滅したわけではありません。支給停止の解除を求めることができますし、等級が下がった場合も額改定請求で見直してもらう方法があります。
“この記事でわかること”
- なぜ支給停止・等級ダウンが起きるのか
- 精神障害で支給停止になりやすい理由
- 支給を再開させる2つの手続きと、その使い分け
- 3級の方は、放置すると受給権が消滅します
目次
1.支給停止や等級が下がってしまう原因
障害年金は一度認定を受けると「障害の状態」にある限り支給され続けますが、障害の状態により「永久認定」と「有期認定」に分かれています。
有期認定の場合は、一定期間(障害の種類により1年から5年)が経過するごとに障害状態確認届(医師による診断書)を提出し、現在の障害状態について審査を受ける必要があります。
障害年金が支給停止となるのは、審査の結果、今までの障害等級に該当しない程度に障害が軽くなったと判断されたときです。
実際に障害が軽快したのであれば喜ばしいことですが、ご本人は回復していないと感じておられるにもかかわらず、回復したと判断されてしまう場合があります。問題となるのはこちらのケースです。
- 更新時の審査はすべて障害状態確認届の内容に基づいて行われます
- ご自身の状態を医師に正確に伝え、診断書に記載してもらわなければなりません
- 特に診断書を作成してもらう医師が前回と違う場合は要注意です。医師によって診断基準が異なるため、症状の評価や書き方が変わってしまう可能性があります
2.精神障害だと支給停止になりやすい?
精神障害は基本的にすべて「有期認定」であり、1~5年ごとに更新(障害状態確認届の提出)を行う必要があります。そして更新時に不支給になったり等級が下がるケースは、他の障害と比べて多いといえます。
精神障害で支給停止になりやすい理由
- 医師にご自身の状態がうまく伝わらないことがある
- 体調の浮き沈みが激しく、更新と体調がよい時期がちょうど重なると、診断書に回復していると記載されてしまう
- 精神障害では就労が困難であることも審査要素の一つであるため、就労していることで回復したとみなされることがある
精神の障害による認定は、就労をしていると新規裁定だけでなく更新においても難しいというのが現状です。
精神障害の場合は、身体障害のように病気の程度を数値で表せる指標がないため、日常生活能力や就労状況などで総合的に判断されます。
更新時も新規裁定時と同様に、日常生活の困難度合いや、就労時には配慮が必要なことなどを主治医に伝え、診断書にしっかり反映してもらうことが重要です。
3.支給を再開させる2つの手続き
支給停止の通知が届いた場合でも、障害年金を受給する権利自体が取り消されたわけではありません。支給再開のための手続きは、次の2つです。
“支給再開のための手続きは2つです”
- ① 審査請求・再審査請求を行う
- ② 支給停止事由消滅届に診断書等を添えて提出する
| ① 審査請求 | ② 支給停止事由消滅届 | |
|---|---|---|
| 審査期間 | 長い(2回行うと1年近く) | 短い |
| さかのぼり | 支給停止の時点までさかのぼって受け取れる | さかのぼれない(停止から再開までは無支給) |
| 期限 | あり(下記参照) | いつでも可能 |
3-1.審査請求・再審査請求を行う
支給停止という処分に対する不服申立てとして行います。この不服申立ては2回行うことができます。最初に審査請求、それが認められなかった場合は再審査請求となります。
- 審査請求 処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過するとできません
- 再審査請求 社会保険審査官の決定書の謄本が送付された日の翌日から起算して2か月を経過するとできません
2回の手続きをすべて行うと結果が出るまで1年近くかかってしまいますが、審査が通った場合は、支給停止になった時点までさかのぼって年金を受け取る権利が認められます。
3-2.支給停止事由消滅届に診断書等を添えて提出する
支給停止後から再び障害状態が悪化し、支給認定基準に該当するようになったとして再支給を請求します。
審査請求と比較して審査期間は短いですが、さかのぼった請求は認められないため、支給停止から再開までの期間は無支給となってしまいます。
また、支給停止通知が来てすぐに手続きを開始することはできますが、続けて同じような内容の診断書を提出しても、支給停止の解除は認められない可能性が高いです。
診断書の内容には、支給停止に対して医師がどのような考えを持っているかが反映されるため、場合によっては再支給の早期請求は難しいかもしれません。
“2つを同時に進めることもできます”
- 審査請求と再支給の請求は手続きの意味合いがまったく別なので、並行して行うことができます
- 時間のかかる審査請求・再審査請求の結果が出る前に、支給停止事由消滅届が先に認められて支給が再開されることもよくあります
▶ 支給停止事由消滅届については 障害年金の更新手続き をご参照ください。
4.障害等級が下がってしまった場合
等級が下がった場合でも、審査に不服がある場合には審査請求ができます(流れは「3-1.審査請求・再審査請求を行う」をご覧ください)。
また、等級が下がった後に再び状態が悪くなった場合には、額改定請求をして等級を上げる審査を受けることができます。
等級が下がった場合、額改定請求はいつからできる?
- 審査の日は診断書の提出月(誕生月)の3か月目の1日とされます
- 例:今年の4月が誕生月 → 更新の診断書の提出期限は4月末 → 審査日は7月1日
- 額改定請求ができるのは翌年の7月2日から
▶ 額改定請求については 障害年金の額改定請求はいつからできる? をご参照ください。
5.更新手続きは、最初の請求と同じくらい重要です
「治っていないのだから支給停止になることはないだろう」と軽い気持ちで手続きをしたら、支給停止の通知が届いて驚いた、という方が多くいらっしゃいます。
体調や実生活に変化がなくても、有期認定であればどの障害でも不支給または支給額変更(級落ち)となる可能性があります。また昨今の傾向として、更新時に支給停止や減額になるケースは増加してきているようです。
“【重要】3級の方は、放置すると受給権が消滅します”
- 3級の場合、支給停止してからそのまま障害の状態に該当することなく3年を経過した日において、65歳以上であるときはその日に、65歳未満のときはその後65歳に達した日に、障害年金の権利は消滅します
- 支給停止事由消滅届は、権利が消滅する前までに提出する必要があります
当センターでは、障害年金専門の社労士が障害年金に関するすべてのお悩みを丸ごとサポートいたします。
更新手続きに不安がある方、支給再開の手続きをご希望の方は、ぜひご相談ください。ご相談は無料です。
